乳がんについて
女性のがんの中で最も多いのが乳がんで、9人にひとりの女性がかかると言われています。乳がんになりやすい年齢をみると、30歳代後半から増えてきて、40歳代後半と60歳代後半にピークがあります(図)。罹患率(乳がんにかかる割合)は高いですが、死亡率(乳がんで死亡する割合)は現在第4位であり、比較的予後良好ながんです。
早期に見つかれば生存率は高く、治癒は可能ですので、早期発見、早期治療が大切です。そのためには定期的な検診が非常に重要です。
乳がんになりやすい人は
乳がん発症リスクについて
閉経前 | 閉経後 | |
---|---|---|
肥満 | リスクを高める可能性あり | リスクを高めることは確実 |
アルコール | リスクを高めることは確実 | |
大豆食品 | リスクが低くなる可能性あり | |
イソフラボンのサプリ | 不明(摂取することは勧めない) | |
健康食品やサプリ | リスクが低くなることはない(摂取することは勧めない) | |
乳製品 | リスクが低くなる可能性があるが、どのような乳製品をどの程度摂取すべきかは不明 | |
喫煙 | リスクを高めることはほぼ確実 | |
受動喫煙 | リスクを高める可能性あり | |
運動 | リスクが低くなる可能性あり | リスクが低くなることはほぼ確実 |
糖尿病 | リスクを高めることはほぼ確実 | |
月経歴 | 初経年齢が早い人ほど、閉経年齢が遅い人ほどリスクが高いことはほぼ確実 | |
出産歴 | 出産経験のない人、初産年齢の高い人ほどリスクが高いことは確実 | |
授乳歴 | 授乳歴のない人ほどリスクが高いことは確実 | |
家族歴 | 血縁関係が近いほど、家系内に多くいればいるほどリスクが高くなることは確実 |
患者さんのための乳がん診療ガイドラインを改変 2023年版
乳がん検診
乳がん検診は、自覚症状がない方が対象です。
自覚症状のある方は、保険診療となります。
検診方法は、問診、マンモグラフィ検査、超音波検査になります。
乳がん検診の視触診は、厚生労働省の指針に基づき、当院では行っておりません。
乳腺専門クリニックならではの精度の高い乳がん検診(マンモグラフィ、超音波)を専門の女性技師が行い、乳腺専門医が診断しております。安心して検診をお受けください。
検診は40歳以上の方に2年に1回のマンモグラフィ検診が推奨されております。
ただ人それぞれ推奨される検診の受け方は変わります。検査結果説明の際、問診、検査結果を参考に今後のおすすめの検診の受け方をご説明させていただきます。
また乳がんは、早期発見・早期治療でほとんどの方が治りますので、定期的な検診をお勧めしております。
乳がん検診
対象:熊本市在住で、40歳以上で年度内に偶数年齢になる女性
対象者 | 問診 | マンモグラフィ | 金額 |
---|---|---|---|
40歳代で年度内に偶数年齢になる方 | ○ | ○ | 1,500円 |
50〜60歳代で年度内に偶数年齢になる方 | ○ | ○ | 1,100円 |
負担金なし対象者(下記参照) | ○ | ○ | 0円 |
※表は画面に収まらない場合、左右にスライドしてご覧いただけます。
※オプションで、超音波検査(自費:4000円)を併用することもできます。
※2名の医師による読影を行った後、後日ヘルスケアセンターより結果が郵送されます。
オプションご利用の方は、当日結果をお伝えいたします。
熊本市の乳がん検診に必要なもの
- 受診券はありません。予約時または受診時に「熊本市の乳がん検診」とお伝え下さい。
- 健康保険証(またはマイナ保険証)
- 検診料金
当院初診の方のおすすめ
- マンモグラフィ検査+超音波検査(オプション)+結果説明
負担金なし対象者 | 必要書類 |
---|---|
年度内に41歳になる方 | 無料クーポン券 |
70歳以上で年度内に偶数年齢になる方 | 身分証明書 |
生活保護世帯 | 生活保護受給証明書など |
市県民税非課税世帯 | 市県民税(所得・課税)証明書(発行は有料)、介護保険料決定通知書など |
※表は画面に収まらない場合、左右にスライドしてご覧いただけます。
※熊本市乳がん検診の詳細はこちら
対象:合志市に住民票のある方
対象者 | 問診 | マンモグラフィ | 超音波検査 | 金額 |
---|---|---|---|---|
年度末年齢が31~39歳の方 | ○ | ○ | 1,500円 | |
年度末年齢が40~74歳の方 | ○ | ○ | 2,600円 | |
年度末年齢が75歳以上の方 | ○ | ○ | 2,000円 | |
年度末年齢が41歳の方(無料クーポン券対象者) | ○ | ○ | 0円 |
※表は画面に収まらない場合、左右にスライドしてご覧いただけます。
※検診期間:9月~2月
※オプションで、マンモグラフィ(自費:6000円)、超音波検査(自費:4000円)を併用することもできます。
※後日合志市より結果が郵送されます。または電話での連絡があります。
オプションご利用の方は、当日結果をお伝えいたします。
合志市の乳がん検診に必要なもの
- 今年度の受診票(問診票) ※合志市健康づくり推進課に事前申し込みが必要です。
- 健康保険証
- 検診料金
自費による乳がん検診(市内・市外)
対象:熊本市・合志市の乳がん検診対象外の方
問診 | マンモグラフィ | 超音波検査 | 結果説明 | 金額 |
---|---|---|---|---|
○ | ○ | ○ | ○ | 9,500円 |
○ | ○ | ○ | 6,500円 | |
○ | ○ | ○ | 4,500円 |
※表は画面に収まらない場合、左右にスライドしてご覧いただけます。
当院初診の方のおすすめ
- 30歳以上の方:マンモグラフィ検査+超音波検査+結果説明
- 29歳以下の方:超音波検査+結果説明
マンモグラフィ検査ができない方
- 妊娠中、授乳中、妊娠の可能性がある方
- 胸部にペースメーカー、植え込み型除細動器、中心静脈カテーテル・ポートなどを留置させている方
- 豊胸手術、乳房再建術を受けた方など
検診時のご注意
マンモグラフィ検査、超音波検査は、上半身の服・下着を脱いで検査着に着替えて受けていただきますので、可能な限りワンピースを避け、上下セパレートの脱ぎ着しやすい服装でお越しください。(ワンピースの場合、上下とも検査着に着替えていただきます)
検診の結果次第では、保険診療に切り替わる場合があります。保険証を必ず持参してください。
乳がんを早期発見するためには
自分の乳房の状態に日頃から関心をもち、乳房を意識して生活する習慣が大事です。(ブレスト・アウェアネス)
特に以下の4つの項目がポイントです。
- 自分の乳房の状態を知る(自分の乳房を見て、触って、感じる)
- 乳房の変化に気をつける(いつもと変わりがないか)
- 変化に気づいたらなるべく早く医療機関を受診する
- 40歳になったら定期的に乳がん検診を受ける